SUNNYDAYの作り手たちvol.6 hutte 井原弥生、武「環境のために、パン屋としてできること」
SUNNYDAYはだれがつくっているのか。
作り手が分かると、不思議と安心したり愛着が湧く作品のように、
SUNNYDAYの作り手について知っていただくことで、安心や親しみを感じていただきたい。 そんな想いからSUNNYDAYをカタチづくっている仲間を紹介させていただきます。
どんな人がどんな想いで関わっている場所なのか、それぞれのストーリーを知ってみるとまた違ったSUNNYDAYが見えてくるかもしれません。
井原弥生さん
香川県出身。約10年前、四国中央市で自家製天然酵母のパン屋「hutte(ユト)」を始める。SUNNYDAYでは月に1回、「hutte」からパンを数種類入荷し販売しています。
井原武さん
愛媛県出身。元・電気屋勤め。「hutte」では主に、マフィンや力仕事などを担当。
パン屋「hutte」のはじまりとレーズン酵母
弥生さん(以下、敬称略):パン作りのこだわりは、イーストを使わずに、全て自分で起こしたレーズン酵母で焼くことです。レーズンは、甘みが凝縮されていて、酵母が起きる条件にすごく適しているんです。ただ、イーストを使えば1時間くらいで発酵するところ、うちのレーズン酵母だと4~5時間かかるという点は、大変ですが...
武さん(以下、敬称略):営業開始が11時だと、逆算して朝の3~4時に起きないといけないので、冬場は特につらいですね。でも、焼きたてのパンを出すために、頑張って早起きしています。
弥生:この店の原点も、実は「酵母を起こすことへの興味」にあって。私はお店を始める前から、家で酵母を起こしてパンを焼き、友人に食べてもらったりしていました。その中で、自分のお店を持ちたい気持ちが大きくなって、子どもが幼稚園に入園したタイミングでこのパン屋をはじめました。
武:僕はもともと電気屋で勤めていて、当初は仕込みだけを手伝ったりしていました。ですが、お店が人気になるにつれ、パン作りが間に合わなくなってきて。そこで、会社を辞めて一緒にパン屋をやるようになりました。僕も「いつか独立して、何かやりたい」という思いがあったので、それが叶ったともいえますね。
ビニール梱包をなくしたい
弥生:コロナ禍で家を大掃除したことをきっかけに、プラスチックのパッケージが、私にとってすごくストレスだったことに気がついたんです。そこから、プラスチックゴミや環境への意識が強くなっていきました。お店でもできるだけビニール袋を使わないよう、お客さんに容器を持ってきてもらったり、袋に入れずそのまま並べられるように「当日焼き」のものを増やしました。量り売りにも挑戦してみたり。
武:今はまだ、ビニール梱包なしの焼きたてパンの種類は少ないですが、ゆくゆくは全てのビニール梱包を無くすことを目指しています。他にも、食べきりの推進や、循環型社会に向けた取り組みも進めていきたいですね。
弥生:材料に関しても、国産やオーガニックのものを使うというこだわりがあります。
武:この店をきっかけに、他のお店やお客さんにも、環境への意識を持ってもらえるようになったらいいですね。
「準備の手間」をかけてでも、買いに来てくれるのが嬉しい
武:パン屋なんて世の中にいくつもあるのに、わざわざここを目指してきてくれるのは、ありがたいですよね。
弥生:しかも最近は、8割くらいのお客さんが容器を持ってきてくれるんです。「ちゃんと準備しないと買いに来れない」なんて、お客さんにとっては面倒なはずなのに、それでも買いに来てくれる。本当にありがたいことだと思います。
武:うちは2人だけでやっている分、お客さんの表情や反応を直接見ることができるのも良いところですね。「このパン、おいしいよね」って言いながら買ってくれたり、並んでる間にお客さん同士でおすすめのパンを話し合ったりしているのを目にすると、とても嬉しくなります。
弥生:こんなにしんどい仕事だけど、お客さんが「おいしい」と言って買いに来てくれるのが嬉しくて、気づけばもう10年続けています。これからも、できることをひとつずつ実践しながら、一人でも多くの人に意識を広げていけるお店を目指していきたいです。
Comments